令和4年6月の読書感想文⑬ セブン・デイズ 町田哲也:著 光文社
セブン・デイズと言われたら「ぼくらの七日間戦争」を思い出すのですが、今回のセブン・デイズは窮地に立たされた状態からのスタートでした。
セブン・デイズ 町田哲也:著 光文社 個人蔵
主人公にはこどもが生まれたばかり。
しかし母親を通して「会社が他社と合併した」というニュースを聞かされる。
その話は本当で、本来であれば倒産して当然のところを救済措置として合併という形をとられたらしく、合併した企業から送られてきた担当者は、これまでの仕事の仕方を次々と否定していきます。
主人公の勤める会社とは証券会社で、主な利益は商品の購入等による手数料収入になるのですが、この収入が上がってこなかったため、吸収合併された形になります。そんな中で「利益をあげろ。上げなければ担当を替える。」といった、ちょっとやりたい放題の無責任ともとれる強引な要求を突き付けられ、どうすればいいんだ・・・という展開になります。そこには家庭の事情や顧客との関係も絡み、物事はうまく進みません。しかし「忙しさ」というものを見つめなおすきっかけにもなり、売り上げを上げる方策を練り、行動に移していくという流れです。
しかし、それを7日間で行うのはかなり厳しく思います。無理だとも。
ただそこは物語なので、かなりドラマティックに綴られているので気分としてはハラハラからの爽快に変わります。
わたしたちの仕事もこれくらいの熱意があれば、仕事に対する見方や姿勢が少し変わるのかもしれません。この本に書かれていることがすべてよいというわけではないのですが、少し勉強になるところもあり、読んでよかったと思いました。