おそらくジャズ系の雑誌だったと思うが、「作家」と「珈琲」という単語が出てきていたのを朧げに残しており、探してみたところこちらの本が該当したように思います。
作家と珈琲 平凡社 個人蔵
52篇のエッセイが収められているもので、作家さんの幅が広く文体も様々。
現代的な珈琲について触れたかと思えば、昭和またはそれよりも前の珈琲にタイムスリップする。しかしながらその一杯は不思議と現代のものと比べると美味そうに見える。珈琲の香りは、昔であればあるほどよいのかと思うくらいである。
巻末には、作家「の」珈琲という題の本も出ていた。ひょっとしたらこっちだったかもしれない。様々な豆を試すように、珈琲にかかわる本も、いろいろ読み込んでいくのである。次は間違いなく、「作家の珈琲」を買う。秋口にあたたかい珈琲を啜りながら、振られてしまった彼女を想うように。