久々の、堂場さんによる警察小説を読みました。
同期で親友の刑事が収賄容疑で逮捕され、その結果職を失った。
その事実が信じられず、無実であることを信じて単独で事件の捜査をするお話です。
しかしすでに失われた職を取り消す(復職)ことは無理で、掴むことが出来たとしても名誉回復のみ。それでもかまわないとの姿勢で、事件の闇に入り込んでいきます。
その中で立ちはだかるのは、様々な立場の人間でした。
親友と呼べる人が何かしらの事件に巻き込まれた(または起こした)ら、にわかに信じることは難しいと思います。書いていて思い出しましたが、小学生のとき、友人と大きな本屋さんに行った際、その友人が万引きしたとして店員に呼び止められました。その事実に驚きましたし、何もすることが出来ませんでした。その時はそれで終わりましたが、何とも言えない時間だったと思います。
今回の話は「クロをシロにする」といった流れになり、抵抗も生まれます。
警察小説はなかなかこういった話が多いのですが、飽きがこないのが不思議なほど。
結末は是非ご自身で確かめて欲しいのです。
組織で働くことのありがたさと難しさを感じる、考えさせられる作品でした。