つたわりとどけ。

日常と非日常のはざまから、伝え、届けたいことを個人で探求し、実践します。このたび不定期更新に切り替えました。

令和5年2月の読書感想文③ あなたのための短歌集 木下龍也:著 ナナロク社

テレビで取り上げられた歌人「木下龍也」さんの歌集になります。

 

あなたのための短歌集 木下龍也:著 ナナロク社 個人蔵

 

NHKの「ドキュメント20min」で取り上げられていたもの。

その後「情熱大陸」でも触れられていました。

 

本作は「あなたのための短歌1首」という企画から生まれた短歌を収めたもの。

個人販売によるもので、依頼者からのお題を基に、木下さんがお返事を短歌で返すというもの。

 

4年間で700首もの短歌をつくったそうですが、本作はそのうち100首が収められています。個人販売、いいですね。自分もお願いしたいです。

 

 

 

詩集や歌集を読んでいると、音楽を聴いているときのような「体内部の変化」があります。それは体温の変化のような、急に汗が噴き出るような、まるで何かしらの治療を施されて身体がめっちゃ反応したときのような感じです。つまりは「なんだか身体が反応している」ということになります。感動もそれに近い状態で体内外で発生するのですが、自分の場合は自分という存在と、皮膚で隔てられた世界との境界において、何かが強く振動し体内へ伝わってくるといった感じになります。コンサートで素晴らしい音を聴いてそうなるのであれば説明がつきそうですが、文章を読んでいて同じような現象を体験することがあります。それは身体が求めていたのか、心が求めていたのかは不明です。ただ言えるのは、「嫌な感じじゃない」ということだけです。

 

言葉による感動がある。それがあるからこそ、ぼく自身も何かしらの言葉を綴りたいと考えています。てんでからきしではありますが、「ああ、書いたな」と満足することが出来るような時間を過ごし、その中でもほんの少しだけ、「これいいんじゃないか」と思えるものを書いていけたらと思いました。