つたわりとどけ。

日常と非日常のはざまから、伝え、届けたいことを個人で探求し、実践します。このたび不定期更新に切り替えました。

令和6年3月の読書感想文⑱ もぬけの考察 村雲菜月:著 講談社

北海道十勝に所縁のある作家さんになります。御書印集めの際、POPを見て購入を決めました。

 

もぬけの考察 村雲菜月:著 講談社 個人蔵

第66回群像新人文学賞受賞作となります。

 

すごく不思議というよりは、ホラーに近い作品集になります。

 

マンションの一室、408号室が舞台ですが、そこに住む住人「たち」が主人公になるのですが、複数で住んでいるわけではなく、入れ替わりで住み始めた住人が主人公になります。

 

そして、のっけから不思議な伏線が張られます。そして、奇怪な出来事が起き始めます。書いていて思いましたが、「世にも奇妙な物語」を小説化したような感じの奇妙さであり、怖さを感じました。自分であればこの部屋には住めません。

 

この本を読む限り、この部屋はどうやら事故物件ではないようです。

いつの間にか前の住人が「消えている」ようです。その履歴をどのように受け止めるか?

 

現代社会にも、こんな部屋が賃貸としてあるのかもと思うと、ぞっとします。