天童さんの著書、読みたくってもなかなか読めないでいました。
包帯クラブ(The Bandage Club) 天童荒太:著 ちくまプリマー新書 個人蔵
実は家人が「1万円選書」に当選し、送られてきた本の中にこれの第2作目が入っていました。じゃあ最初の作品を読もう、ということになり、買い求めています。
傷ついた人たちを癒す、ではなく、協調というか、理解というか。
その痛みはわかっているよ、という意思表示で、包帯をいろんな場所に巻いていくというお話に見えました。
この話を読んで、思い出したのはかの名作「ぼくらの七日間戦争」です。
包帯クラブという活動は、もちろん大人たちには受け容れられませんでした。同年代においても意見が割れていたような読後感があります。
この作品において注目すべきは、若い(幼い)者たちが自分たちで意義などを考え、話し合い、実行に移していくという過程にあります。この世界ではその行動のすべてが認められるわけではなく、ときには反発にあうこともあります。包帯クラブの人たちはその反発をどのように感じていたのか、それをどのように処理していったのかが痛く苦しいほど表現されております。しかしながら、気持ちの強さのようなものが、自分はうまく受け止めきれなかった感があります。続きとなる作品を読んで、どのように感じていくかを期待したいことにします。