つたわりとどけ。

日常と非日常のはざまから、伝え、届けたいことを個人で探求し、実践します。このたび不定期更新に切り替えました。

令和5年繫忙期の読書感想文⑪ 朱色の化身 塩田武士:著 講談社

塩田さんの作品は結構信頼していて、今回の作品は力作だったと感じています。

 

 

朱色の化身 塩田武士:著 講談社 個人蔵

 

 

実際の出来事を土台とした、社会派ミステリー作品になります。

謎解きになるのですが、その謎解きを行うのは父から依頼された子のライター。

人探しを依頼されたのですが、その人の素性を追ううちに、背景がぐわんと広がります。それは単なる人探しではなく、ひとつの事件を追うことにつながっていくのです。

 

幾つかの年号を跨いでの謎解きは、重厚で味わい深い作品になっています。

「こういう作品を読みたかった!」と膝を打つ人も多かったのではないでしょうか。

 

塩田さんの作品は、舞台となるテーマとは他に、隠れテーマのようなものを盛り込んでいます。その顔を覗かせるときこそ、塩田ワールドの展開に至るのです。