つたわりとどけ。

日常と非日常のはざまから、伝え、届けたいことを個人で探求し、実践します。このたび不定期更新に切り替えました。

令和5年10月の読書感想文⑯ ぼくにはなにもない 齋藤真行:作 さいとうれい:絵 愛本出版

ちょっと違った視点に立った、救いまたは悟りにつながる本だと思います。

 

ぼくにはなにもない 齋藤真行:作 さいとうれい:絵 愛本出版 個人蔵

 

大人向けの絵本ですが、特段彩りに凝っているわけではありません。

登場人物の心情などをことばでカバーし、気づきなどを与えるようにできています。

 

著者は牧師さんであることから、悩める人の救いになればという気持ちで編んだ一冊ではないかと考えています。本書を一読しましたが、中々いい視点で書いていると思います。大きな発見ではありませんが、なるほどと思わせる説得力があります。恋に限らず何かにハマっている(落ち込んでいるときも含めて)ときは盲目の状態となっており、危険と隣り合わせになりますが、そういった時にこの本を読めば、少し俯瞰した見方が出来るのではと思います。

 

 

救いは誰かにもたらしてもらうものではなく、結局は自分自身の気づきが起爆剤になります。誰かの何かがきっかけになることはあっても、誰かがすべてを担ってくれるわけでは決してありません。そういう意味では残酷な世界かもしれませんが、そんな現実でも、華やかに生きていくことが出来るのが人間です。そういった強さをこの本ではささやかに教えてくれています。