つたわりとどけ。

日常と非日常のはざまから、伝え、届けたいことを個人で探求し、実践します。このたび不定期更新に切り替えました。

令和5年10月の読書感想文⑳ 地域森林とフォレスター 鈴木春彦:著 築地書館

フォレスターという仕事とは何かから始まり、木にかかわる技術や計画等を実務に即して著した本になります。

 

 

地域森林とフォレスター 鈴木春彦:著 築地書館 個人蔵

 

 

まず、「フォレスター」と言われますと、真っ先に車を思い浮かべてしまいます。。。

 

本書に、フォレスターについての記述がありましたので引用します。

 

「森林管理や林業経営のために、科学的な知見に基づき、法律に基づく規制・指導や、管理方針や施業の立案・実行監理を行う技術者」と定義する。 ※引用以上

 

この内容を見ると、現場に行ってあれこれやるというよりは、事務系職員のことを指すようです。スケジューリングやタスク管理と言ったところでしょうか。

 

またこの本には「本書の目的」という項目があり、ある程度のねらいを以て綴られた本であることがわかります。実例を基にしているため、各地域の現場では同様の問題があるのではないでしょうか。ここでも触れていますが、大きな課題としてはその人が指す場所がイメージできることです。詳細を書いていきますと、土地の持ち主は森林組合などの従事者に対して、詳細な場所の説明をしない傾向があるとのこと。いわば「あそこんとこの」みたいな表現で箇所を指定してくるのだそうです。それを理解するには、その人の土地に何回も入ることに他なりません。事務系だからと言って、デスクに張り付けばいいというわけでもないようです。

 

昨今、環境に対する意識が高まっているように感じますが、報道を通して聴こえてくるのは、どうしても「うわべだけ」の活動です。つまりは「中身スカスカ」。

どうしてでしょうか?

主張のほとんどは「●●だからやめろ」で「終わって」しまいます。

そうならないための考察を踏まえた主張が、まったく聴こえてきません。

もしかしたら「やめろ」という意図に含まれているあらゆることを掬い上げろ、という主張なのかもしれませんが・・・

 

環境問題について取り上げるのならば、保全に対する現状や政策、実例等をその目で確かめるのが必須ではないでしょうか。それを知らずして語るのはということです。日本の林業は斜陽と言われてきました。しかし、林業が盛んになれば日本の第1次産業は活発になること確実です。環境はわたしたちの土台です。土台がよくなれば、パフォーマンスはおのずとよくなります。そう確信しています。

 

ぼくはいつごろからか、こういった種類の仕事が出来たらなと思いながら今日まで来ました。残念ながらその種の仕事に就くことはできませんでしたが、仕事ではなくとも、何らかの活動を起こすことはできるのではと考えています。それがやがて仕事につながれば御の字です。

 

今は近いようで遠い、遠いようで近い仕事をしています。

個人での活動が主ですが、こういった画期的な本を参考に、森に入っていけたらと思います。