つたわりとどけ。

日常と非日常のはざまから、伝え、届けたいことを個人で探求し、実践します。このたび不定期更新に切り替えました。

令和5年5月の読書感想文① 多種共存の森 清和研二:著 築地書館

ここんところよく宿泊で利用している宿の本棚に触発されて、木(樹木)関連の書籍を買い求めています。

 

多種共存の森 清和研二:著 築地書館 個人蔵

 

木関連の書籍をこのほかにも多数買っているのですが、圧倒的に築地書館のものが多いです。

 

著者の清和さんも、木に関する本を多数出版されています。

 

副題に「1000年続く森と林業の恵み」とあり、森が森であるためのメカニズムを解き明かします。その中にある林業は本の端のことであるのですが、わたしたちが生きていくためにはかかせない物事になるため、多種共存(人間を含めた)内容になっているようです。

 

本書の後半には「森を復元」という項目があります。

これまでに森を復元させてきた(現在進行形)実例と言えば、個人の記憶では明治神宮の森等になると思います。具体的な実践例を挙げ、単純に木を増やすのではなく、森として機能することにも重きを置き、恵みにつなげています。

 

身近なところの森や林は、今はどうなっているでしょうか。

実は森や林の維持に回す手はそんなに多くはありません。

どうしても開発(再開発)のほうに手が回り、いわゆるメンテナンスは疎かになっています。それは最悪のケースとして、災害を招きます。

実際に起きてから注力を増やすのは、正直愚策です。

安全のみならず、産業を衰退させていることがわかっているのならば、ここに予算を充てるべきなのです。

 

人間はどうしても、人間の保護にのみ予算を使いたがります。

人間を含めた自然等の、と視点を変えた政策を、行政は打ち出して欲しいと願っています。