SFか、それともファンタジーか。
幻想とまではいかないが、読んでいてなんとなく猿の惑星を思い出しました。
大きな鳥にさらわれないよう 川上弘美:著 講談社文庫 個人蔵
第44回 泉鏡花文学賞を受賞した作品とのこと。
さてこの本は、人間が出ているようで、出ていないようでといった、ちょっと変わった設定のもと進みます。しかしながら話の内容は未来となっており、感覚としては2001年宇宙の旅を見ているかのような、ちょっとふわふわした感覚がありました。
川上さんは、このような緻密な世界観を描くことが出来る秀でた作家さんです。
物語を読んでいくうちに、これは古来からの物語に似ているんじゃないかという疑問を持ちます。古典に出てくるようなお話みたいで、半信半疑になります。しかしながら物語である以上は、そこに何かしらのメッセージが込められていると思います。そのメッセージが何なのかは、是非読んで確かめて欲しいなと思います。