つたわりとどけ。

日常と非日常のはざまから、伝え、届けたいことを個人で探求し、実践します。このたび不定期更新に切り替えました。

令和5年11月の読書感想文② 地下室の手記 ドストエフスキー:著 江川卓:訳 新潮文庫

何かのきっかけで海外古典を読むことがあるのですが、これまた凄い本に手を出してしまいました。

 

地下室の手記 ドストエフスキー:著 江川卓:訳 新潮文庫 個人蔵

 

古典においても現代におけるような、「偏った設定」の作品があります。

そういった前例に触れていくことで、現代の人が抱える、または発症している模様を冷静に見ることが出来るのではないかと感じています。

 

本書は「ドストエフスキーの全作品を解く鍵」とされている作品のようです。

ということは、この作品に描かれているものが土台または大黒柱になっているというように考えていけばよいのかもしれませんが、描かれている内容は少々過激であり、現代においては過熱を繰り返している果実になっています。ドストエフスキーは小説の中で、現代にも通じることを堂々と主張しているのだと思うと、今も昔も人間は大きく変わっていないということになるのでしょうか。それは衝撃でもあり、悲劇でもあるように思います。