北海道新聞11月4日、サタデーどうしん欄に、「ウイスキー蒸留所 25年春稼働」という見出しが躍り出ました。
場所は苫小牧市。「イチローズモルト」で知られるベンチャーウイスキーが建設しています。
ウイスキーと言えば
世界的に見ればサントリーで、北海道でいえばニッカだと思います。
世界も北海道も今では関係ないですね。
ニッカは余市に蒸留所があることで知られ、その昔NHKの連続テレビ小説にもなりました。その後ウイスキーブームが沸き起こり、ウイスキー原酒不足という事態を招きます。
ニッカ創業者の竹鶴政孝とサントリーを興した鳥井信治郎について、当時刊行されている本も限られており、その激動の人生を追うことも簡単なことではありませんでした。その後小説をはじめとしたさまざまな本が刊行されることで、両名の為人のいくばくかを知ることが出来るようになります。
ただ、ウイスキーのことを知る度に、北海道でウイスキーの蒸留所を造るのは容易ではないことをわかっていました。わかっていただけに、このニュースは「時代が大きく動こうとしている」と実感させるものでした。
苫小牧市に蒸留所を造ると決めたのは、その土地が持つ「強さ」とのこと。
記事を追うと、「港に近い場所」というのがあった。なるほど。
そして「水」もあると思います。つまりは「風土」です。
北海道内に既にあるs蒸留所を見ていくと、現在は余市と厚岸だと記憶しています。そのどちらも、環境が適していると認識しています。苫小牧で作られるウイスキーがどのようになるか、今から楽しみです。
産業は発展していく
昔では考えられませんでしたが、北海道では各種お酒を造る動きが活発になっています。
日本酒は新しい酒蔵が函館・上川・十勝方面に出来ています。
御酒印というツールも加わり、酒蔵は日々賑わっています。
ワインの蒸留所も建設ラッシュです。
余市・仁木周辺での整備が大きなニュースになりましたが、函館・北斗辺りでもヴィンヤードがという報道を目にしました。ぶどう栽培の定着に時間がかかるようですが、気候の変化などから近年進出が顕著です。
クラフトビールの蒸留所も同様で、「地ビール」という名目がぐんと増えました。今ではお土産の定番になっています。独特な味がウリで、値段は少々高いものの、特別感をもたらしてくれます。
ひと昔前だと無理だと思われていたものは、現代では実現可能なものになっています。
苫小牧市で作られるウイスキーですが、最初は国産原料と輸入原料を用いて蒸留されるものの、その後生まれる「苫小牧で生まれた原酒」を用いたウイスキーの開発を想定しているとのこと。夢が広がるばかりです。
しかしながらここでの商品化は2028年以降。すぐに結果は出ない。
すぐに結果を求める風潮とは真逆のものだが、時間をかけてもたらされる唯一無二の結果は、すぐに出る結果とは比べ物にならないものと思っています。