つたわりとどけ。

日常と非日常のはざまから、伝え、届けたいことを個人で探求し、実践します。このたび不定期更新に切り替えました。

西洋と東洋の違いを感じていく。

北海道新聞2023年12月19日の文化 22面に「自然との共存 未来築く」という見出しが載りました。集英社より「レジリエンスの時代」という本を刊行した、ジェレミーリフキンさんのオンラインインタビューを書き起こした記事が掲載されています。

 

 

 

著者はアメリカの経済社会理論家で、世界各国首脳のアドバイザーを歴任しているとともに、1980年代から気候変動の危機を訴える先見性も持っていらっしゃるようです。

 

本のタイトルにある「レジリエンス」ですが、著者は「適応して共存する能力」と説明しています。これがこれからの時代には必要な考えであると力説します。背景には産業革命から始まった地球資源を奪う行為にあります。経済は大きな発展を遂げましたが、かなりの時間を経過したのち、環境の大きな変化という展開を以て現代人にその影響を知らしめています。

 

 

リフキンさんは産業構造の大幅な変更が必要だとしており、新たなインフラの樹立が出来れば、新しい産業の確立チャンスが巡ってきます。西洋と東洋では自然に対する考え方が異なっており、西洋は自然を支配するという考えが根強くあるのに対し、東洋は人間は自然の一部とする考えが根強くあります。この差を埋めて共通認識とすることで、新しい技術の確立や、既にある技術の転用が見込めます。

 

恐らく従来の開発がそのまま続いているのは、既にできているシステムだからだと思います。徐々に環境配慮という意識が広まっていますが、まったく新しいシステムを確立しているわけではなく、根本的な転換にはなっていません。世間は徐々にシフトしていくことを望んでいますが、その間に起きる気候変動の負の恩恵は降りかかってくることから、そのスピードが速まる可能性もあります。

 

 

自然を支配するとは、コントロールそのものかと思います。しかし実際はコントロールどころか、全容も解明できていないことが多くあるのではと感じます。東洋的な考えは思想的な意味合いが強いですが、人間の健康等に直結したものであり、経済活動に大きく影響を与えている気がします。自然に対する考察は様々な分野から行われていますが、経済分野からの考察はより行動への具現化を早めます。早い段階で新しい仕組みが確立し、自然を回復させる勢いを持つまでになって欲しいと願うばかりです。