つたわりとどけ。

日常と非日常のはざまから、伝え、届けたいことを個人で探求し、実践します。このたび不定期更新に切り替えました。

令和6年1月の読書感想文① シティ・ファーマー ジェニファー・コックラル=キング:著 白井和宏:訳 白水社

いつも利用している宿で見かけた1冊・これからの時代にフィットしそうな本です。

 

シティ・ファーマー ジェニファー・コックラル=キング:著 

白井和宏:訳 白水社 個人蔵

 

 

世界中の都市において食料を生産しようという動きが高まっている。

その背景には「工業化」された食料の生産があり、環境の大きな変化という要因もあります。この本は近代都市農業の実情やそのほかの都市におけるシティ・ファームを拡大させて食糧危機に立ち向かおうとするものです。

 

日本でシティ・ファームというと、ビルの屋上で養蜂をすることくらいしか思いつきません。あとは家庭菜園や、市民農園での農産物栽培を行っているイメージがあります。しかし本書はそのイメージをいい意味で壊していて、限られたスペースでも多彩な栽培を行い、実践可能だということを証明しています。これは日本においても大きなヒントで、マンションのベランダで栽培をするというのと同じ取り組みになると思います。食料システムという表記を本書ではしていますが、何かひとつの栽培を行うことで、自然とそのシステムから抜け出すことができ、疑問ではありませんが不思議さを代表する「しっくりこない」ものを感じるのではないかと思います。シティ・ファームの規模はやはり欧米が大きいですが、日本においてもそれは不可能ではないはずです。家庭菜園のイメージが強いですが、これも立派なシティ・ファームです。何かしらの食料を自給することは、力強く生きることにつながるのではないかと考えながら、各所の取り組みに感心しながら読んでいました。