つたわりとどけ。

日常と非日常のはざまから、伝え、届けたいことを個人で探求し、実践します。このたび不定期更新に切り替えました。

令和6年2月の読書感想文② 森を見る力 橘川幸夫:著 晶文社

ここでいう「森」は「情報」を指します。

 

森を見る力 橘川幸夫:著 晶文社 個人蔵

 

こちらも雑誌の企画でどなたがか挙げられていた本になります。

 

 

森とは情報化社会を指しているようで、毎日おびただしい数の情報が飛び交っている中で、何をどのように見ていき、自分を見失わないようにしていくかという視点に立ったものになります。情報化社会とは言っていますが、インターネットや政治、そして災害時と幅広い分野を取り扱っており、わたしたちが普段見ているものは何かということを冷静に教えてくれます。

 

この記事を書いている時点でもSNSが発端に感じてしまう、悲しい出来事が連鎖しています。どのような立場の人も責任を感じた(または無責任な)発言をしていますが、その背景に森が見えているか、そうでないかでは、そのあとの拡がり方が大きく変化しているのではと感じています。なので、しっかりと森が見えていたなら、何かを最小限にすることも可能ではなかったか、と思うのです。情報化社会が森である以上、一度炎上したらいともかんたんに燃え広がります。そんなのお構いなしに生活していく人ももちろんいますが、一度そこに刻まれた傷は、森は決して忘れないということを肝に銘じておくべきなのです。都合のいいこと、悪いことで森と切り離そうとする人が多くいますが、一度コネクトしてしまえば切れることはないのです。つながっていないようで実はつながっているというのが、森なのです。そこを理解しておかないと、情報が遮断された時などの行動が大きく違ってきます。

 

わたしたちは無防備に、森の中へ入ってしまっているのです。

無防備すぎるということに意識しないといけない時代が、ずっと続いているのです。