つたわりとどけ。

日常と非日常のはざまから、伝え、届けたいことを個人で探求し、実践します。このたび不定期更新に切り替えました。

令和6年2月の読書感想文⑦ 田舎のポルシェ 篠田節子:著 文春文庫

これまたちょうど文庫化された作品になります。

 

田舎のポルシェ 篠田節子:著 文春文庫 個人蔵

 

3作の中編と短編を収めた作品で、いずれも車が登場します。

表題作に「ポルシェ」とありますが、作中には出てきません。

そのため、ポルシェは比喩になります。

 

1編目は軽トラック。

2編目は外国車。

3編目はロケバス。

まったく違う種類の車を主人公といいますか、主人公の傍らに寄り添う存在として立場を確立させ、ストーリーを展開していきますが、この車でなければこその展開が待っており、「自分にはこの車が必要だった」と感情深く思わせてくれます。この本を読めば、ご自身が所有する車も「ポルシェ」に思えてくるのではと思います。もちろん、感情移入の点としてですが。

 

車はそれだけではその個性を発揮し切ることはできません。

要は運転者になりますが、その運転者に個性的ではない人は一人としていないと思います。

車は個性が出やすいもののひとつだと思います。そしてそれは、少しの愛着のあらわれになっていると思います。