つたわりとどけ。

日常と非日常のはざまから、伝え、届けたいことを個人で探求し、実践します。このたび不定期更新に切り替えました。

令和6年3月の読書感想文㉑ ウイスキーと風の味 佐藤茂生:著 共同文化社

北海道新聞で紹介されていた本ですが、ニッカのマスターブレンダーによるウイスキーの本となります。こちらは御書印集めの際、網走市のフジヤ書店で購入しています。

 

ウイスキーと風の味 佐藤茂生:著 共同文化社 個人蔵

 

ウイスキーをつくるとはどういうことか、から始まり、過去の記憶を紐解いていただいたり、これからの展望を語っていただいたりと、バーカウンターにぴったりな一冊となっております。ウイスキーは様々な条件のもとに作られる場所が選ばれますが、それはウイスキーに限らず、ワインや日本酒も同様となります。環境の機微な変化を感じ取り、ウイスキーに活かそうとという試みはかなりストイックに感じますが、人間は条件や環境を整える役割を担っており、あとは周りの自然が仕立ててくれるのかなと読んでいて思いました。

 

本書の中に「風土の味」という表現を見ましたが、まさしくという感じでした。飲食に関する商品はその原材料に個性的なものを使用することで特徴を出し、商品の存在を際立たせている感じがします。工場等で大量生産されるものには感じにくいかもしれませんが、例えば牛乳や海産物、畜産物に野菜などは、風土の味というものが感じられるかもしれません。それはその場にい続ける人たちであればまず見落とす要素になります。大事なものは自分たちの足元にあった、というのは結構よくある話です。自分が生活している地域はどのような場所であるかが、大きく影響してくると考えると、何かを創るという行為はぐっと面白味を増すのではと考えます。

 

 

本書を読むと、かつてたくさん刊行された、竹鶴さんや鳥井さん関連の本をまた読みたくなってきます。

 

「やってみなはれ みとくんなはれ」「悠々として急げ」などの名言が再びわたしの中を駆け巡ります。

 

もうすぐ年度末。そして新年度です。

こういった気概を衰えさせず、持ち続けたいと思いました。