きょうはもさっと雪が積もりましたが、それまでの数日間は気温がプラスになるなど、比較的過ごしやすい天気になっていました。
しかし時折強風が視界を奪うこともあり、札幌市の近隣にある長沼町という場所でホワイトアウトが原因と思われる事故が発生。
また、今シーズンは高速道路が事故でよく通行止めになっています。
路面変化の状況や急なホワイトアウトによる感覚のマヒなど、実にさまざなことになっています。
札幌市(北海道各地域)は先週から冬季アジア大会が行われ、連日ニュースのスポーツコーナーで取り上げられています。傍目からは外国人観光客が多くなったとは思えないのですが、局所的に見ていけば、国際色豊かになっているのかなと思います。
そんな中、久々に野外活動をしてきました。
今月は複数回参加表明をしてあったものの、祖母の葬儀が入り、またその後の燃え尽きが重なり、2月は1回のみの活動となりました。
今回活動してきた場所は「永山記念公園」。
意外と知られていないのですが、札幌市には「サッポロファクトリー」という商業施設があり、そのすぐ隣にこの公園はあります。
また、名前の「永山」は何かと言いますと、この敷地に「永山武四郎」さんという方の家があるのですね。その家は文化財として保存の対象となっており、そこを憩いの場所とすべく、公園が出来たということになっています。
(旧永山武四郎邸は現在工事中のため利用不可です)
この公園は特徴的な場所にあることから、訪れるのは近所のかたが中心だそうで、あまり遊具もないのがちょっと物足りないなと仰っていました。
この公園で行われたのが「永山記念公園を楽しむ会」。
毎シーズン恒例で行われているイベントのようです。
このイベントは行政と公園の管理を委託されている業者、そしてぼくが所属するまるやま自然学校の共同開催となりました。
内容は、
・雪遊び
・薪ストーブでぬくぬく
・炭火でいろいろ焼いて食べてみる
のほかに、写真にもあるように、公園の今後の利用について考えるワークショップとパネル展示が行われました。
雪あそびについてはいくつかのコンテンツを用意しました。それが
・イグルー
・ブランコ
・綱渡り
・雪玉づくり
です。
イグルーは雪のかたまりを切り出し、それを積み上げて住居のようなかたちに仕上げていくもの。会場設営を終えたあとに、せっせと雪のかたまりを「スノーソー(ソーはのこぎりのこと)」とスコップを使って量産していきます。
積み上げたあとは出入口となるトンネルを掘り、晴れて完成です。
鋭意制作中の画。ブロック状のものをスノーソーで切り出しています。
ブランコは大きな木の枝をお借りして、そこからロープを吊り下げてセッティング。
綱渡りは太い木と木のあいだに2本、上下にロープを張ります。
上段にあるロープをつかみながら渡ることに挑戦するのですが、結構バランスを取るのが大変です。
雪玉は100円ショップにおいてあるようなアイテムと、小さなボウルなどを用意。型抜き感覚でいろんなものを創ってもらうことにしました。
それに加え、面白いなーと思ったのが「カラーボール」づくりで、色の材料はなんと「入浴剤」!何でも染まりやすいのだそうです。こんな遊びがあるなんて驚きでした。
各々がそれぞれの持ち場でセッティングを行い、ほぼ会場と同時刻に親子連れが数組参加してくれました。
そこからが早い!
あっという間に会場はこどもたちのはしゃぐ声でいっぱいに。
最初は雪に対してか、雪で作ったものに対してかは不明でしたが、おっかなびっくりだった小さなお子さんも、時間が経つにつれ好奇心のほうが勝り、怖さはどこかへ吹き飛び、満面の笑顔で遊ぶようになりました。
こどもたちの流れは
- イグルーとイグルーづくりで使用した道具で雪切り体験
- 雪玉づくり
- ブランコ
と、段階的に興味が移っていき、なんだか民族大移動を見ている感じ。
その中でも、ひとつの場所でじっくり遊ぶ子もおり、個性があっていいなぁと感じていました。
大人たちが用意した出し物を、100%どころか200%活用してくれるのが、子どもたちのいいところです。子どもたちには、一般的な常識は通用しないときがあります(笑)。だからこそ、時折「純真なこどものように」といったフレーズを使ったセリフなどを聞くことがあるのだと思うのですが、シンプルに言えば、子どもたちの考えは「枠に囚われていない」のです。もうまっしぐらなわけです。時にはカッコよさを求め、ときには責任感を発揮する。こうと決めて取り組んだ時の姿勢は、大人も見習う必要を感じます。
ぼくはイグルーの近くにいましたのでスノーソーの使い方や体験などを担当していたのですが、スノーソーが珍しいだけに、子どもたちの喰いつきも凄いものがありました。午後からは暖かくなってきてしまったので硬い雪を切りだすことは出来ませんでしたが、子どもたちは「もう1個イグルー作って!!!」とおねだりしてましたし、自分たちでも材料を造っていました。しっかりとルールを守る姿に、微笑みを感じました。
受付の近くでは薪ストーブと七輪があり、暖を取ったり軽食や飲み物を取ることもできました。マシュマロやお餅も焼いていて、いい匂いが漂っていたりしました。
子どもたちはさすがにチャレンジ精神旺盛で(笑)、イグルーのなかで食事したり、雪の塊をテーブルとイスにして食事をとるなど、非日常を楽しんでいましたね。子どもならではです。
今後の公園利用を考えるワークショップにもたくさんの参加者がおり、ポストイットに「こういった利用が出来たらいい」といったことを思い思いに書いていらっしゃいました。おそらくどこの公園でもそうなってくると思うのですが、公園に限らず、あらゆる場所は「活用」されなければどんどん活気が無くなります。その後その場所には建物が立つなどの変化を余儀なくされます。
この公園はこれから長い期間、この地域の憩いの場所としての役割を果たすことになります。有効活用というのは表現がカタいですが、たくさんのひとが日常的に利用してくれるためには、官民相互のアイデアと行動力が必要になってきます。これからの時代は、こういった交流の場所が生む効果というのを考えていくことになっていくんだろうなと思いました。
さて、子どもたちはというと。
ずっと、アクセル踏みっぱなしです(笑)
つまりは、疲れを知らない、といった感じです。
この日は、通しでずっと遊んでいる子どもたちが何人もいました。
一度お昼で家に戻り、その後また来てくださった親子もいらっしゃいます。
スタッフは共通のスタッフ証を首から下げていましたので、子どもたちとも、親御さんともたくさんお話をさせていただきました。そのお話も、大事な役目のひとつであります。
こどもたちは次第に体を動かす遊びに移行していきます。
ブランコのほかに、小さな雪山があったのでそこでそりすべりをしたり、独自の遊びを行うなど、終始活発に。ブランコに関しては違う木の枝まで届く距離までこいでほしいと言われることが多く、付き添いでしばらくのあいだ勢いをつけていました。
このブランコ遊びの場で、ひとつの変化というか、驚きを得ることになりました。
ブランコの勢いをつける担当をしており、実際にブランコに乗っている子の足先が遠くの木の枝に触れるさまを見て、順番が出来ることがありました。
子どもたちはからだを動かしたがっていましたので、惰性でどうしても動いてしまいます。
踏み固められていない場所もどんどん踏み固められ、場所によっては滑りやすいところも出来てきます。
そういった状況のなか、何度かブランコが移動する直線上に子どもたちが入ってきてしまうということがしばしば起こり始めます。
これを口で注意するのですが、理解するよりも先に足が進み、ぶつかりそうになることが何度かありました。咄嗟に反応するのも難しく、また、すぐにぶつかってしまうということはないタイミングだったので、安心して見ていました。
ところが、ひとりの子が、足を滑らせてしまい、態勢を崩した状態でブランコが動いている範囲内に入ってきてしまいました。
ブランコを設置した際、足元を掘っており(足がぶつからないようにするため)、その段差のところで態勢を崩してしまいました。またその場所は子どもが通りそうな細い道になっていました。足を滑らせたこどもは段差の下に滑り降りたところに、ブランコが迫ってきたのです。
その刹那。
身体が勝手に動いていました。
足を滑らせた子と、ブランコのあいだに入るように素早く移動し、片手でブランコの勢いを殺しつつ、足を滑らせた子を保護していました。
もちろん、双方に怪我はなし。
結果ひと安心だったのですが、子どもたちも次第に疲れてきたのか、ちょっとずつ危ない状況になってきたため、こちらもそれに合わせてコントロールすることにしました。
何が驚いたのかと申しますと、
この「身体が勝手に動いていた」ことなのです。
これまでのことを振り返ると、動き出さねばならないときに体が「動かなかった」経験がありました。結局その時に出来たのは、声を出すことだけでした。自動車学校に通っていたときの学科で教えられたことですが、状況を認知して行動に移すまで多少の時間がかかるといったようなことを教わったと思うのですが、これまでのぼくはその「行動」にすら移すことが出来ないことが、幾度かあったのです。
ところが、今回の出来事では考えるより先に身を乗り出していました。
これは、自分にとってとても大きな変化であり、違いです。
この違いを生んだのは何だろう?と考えてしまいますが、この変化を歓迎しています。
とても前向きな変化だと感じたからです。
うまく説明できませんが、やっと「出来た」という感じになっています。これまで出来なかったことが、ようやくできるようになった。その場では感慨にふけるほどの余裕はありませんでしたが、敢えて言えば「成長した」「変革を起こした」ようなものです。
一歩前進した、というよりは、なんだか「やっとひとつになってきた」ような感じです。
そんな感覚を得た後は、いつの間にか鬼ごっこに参加し、鬼にされ、バリアーに逃げ込まれたため誰一人捕まえられず(笑)呼び名も「スタッフさん」から「先生」へと移り変わり、いかにも小学生らしい単語のオンパレードになりました。
勢いは衰えないまま、終了時間となりました。
最後はこどもたちでイグルーを壊すというもの。
残念ながら、そのまま残してはおけないのです。
しかしながら、本気で壊しにかかる子どもたちの体力(笑)
もう、完敗です。
お陰様でというか、翌日起きたら筋肉痛になっていました。
これも、身体にとってはとてもいい反応です。
こどもたちのパワーは半端ないですが、それに全力を尽くさなければいけないなと常々感じています。でも、身体がついていかないんですよね。だから、出来る範囲でも、子どもの本気に対しては真正面から受け止めようと改めて思いました。
こういった活動が、各地の公園で広がるといいですね。
さぁ、2月も残り数日となりました。
雪かきが辛いですが(筋肉痛で)、しっかり過ごしていこうと思った、まとまった積雪があったいちにちでした。
イグルーにも色づけ。