【詩】わずかなひかり
わたしたちは自然と光を求めている
わたしたちはその光を信じており
わたしたちは光に希望を求めている
そのような神話をもとに
気丈に笑顔を絶やさぬようにしている
いつしか光は信仰の象徴となり
救世主を比喩することばとなった
ときには出口に譬えられ
終わりを告げる合図ともなった
だがいつからか
その光が望むものではなかったと判断すると
違う光を探し求めるようになった
その光は光ではない と険しい顔になり
口では感謝の言葉を無機質に唱えている
そこにはもう 感謝はなかった
その人はもう 自分には無用の光に感謝を注ぐことはしなくなった
その光が光だと思えなくなったとき
光を見定める視線もいつしかぶれていく
雲間から射しこむ光を見ながら
迷わないように気をつけないとと思った
おそらく光は
探し求めるものではなく
自分でも知らないうちにそこにあるもの
それすらも否定される時代だけど