つたわりとどけ。

日常と非日常のはざまから、伝え、届けたいことを個人で探求し、実践します。このたび不定期更新に切り替えました。

令和3年12月の読書感想文⑤ どこからか言葉が 谷川俊太郎:著 朝日新聞出版

どうしてもといいますか、つい新刊が出るとチェックしてしまいます。

もっとほかの方の作品に触れたいのですが、ここに戻ってきてしまうのです。

 

 

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どこからか言葉が 谷川俊太郎:著 朝日新聞出版 個人蔵

 

 

本としては薄いのですが、52篇の詩が収められていると知ると、その薄さは錯覚に感じます。日々の生活から浮かんできた詩を収めたもので、朝日新聞で連載中のものから収録したとのこと。

 

谷川さんの詩を読んでいると、時に身近に感じるから自分でも詠めると思うのだけれど、数歩先では谷川さんはとても手の届かない詩を詠んでいて、これはとても追いつけないと思ってしまう。それが言うところの差なのだけれど、この差を生む根源は何なのだろうとずっと考えています。

 

僕自身は読むことも書くことも好きなのだけれど、どこかで下手さがずりずりと残っています。だから文章で賃金を得ることができないのかもしれませんが、そこが叶わなくとも、何かしらの向上は目指したいのです。しかしこれがなかなかうまくいかないことを実感すると、とてもジレンマを感じてしまうのです。そして文章から遠ざかる。

 

 

そんな風に揺れながら、時折しみ込ませるようにして読みふけりました。