どうしてもといいますか、つい新刊が出るとチェックしてしまいます。
もっとほかの方の作品に触れたいのですが、ここに戻ってきてしまうのです。
本としては薄いのですが、52篇の詩が収められていると知ると、その薄さは錯覚に感じます。日々の生活から浮かんできた詩を収めたもので、朝日新聞で連載中のものから収録したとのこと。
谷川さんの詩を読んでいると、時に身近に感じるから自分でも詠めると思うのだけれど、数歩先では谷川さんはとても手の届かない詩を詠んでいて、これはとても追いつけないと思ってしまう。それが言うところの差なのだけれど、この差を生む根源は何なのだろうとずっと考えています。
僕自身は読むことも書くことも好きなのだけれど、どこかで下手さがずりずりと残っています。だから文章で賃金を得ることができないのかもしれませんが、そこが叶わなくとも、何かしらの向上は目指したいのです。しかしこれがなかなかうまくいかないことを実感すると、とてもジレンマを感じてしまうのです。そして文章から遠ざかる。
そんな風に揺れながら、時折しみ込ませるようにして読みふけりました。