つたわりとどけ。

日常と非日常のはざまから、伝え、届けたいことを個人で探求し、実践します。このたび不定期更新に切り替えました。

令和5年師走の読書感想文⑦ 言葉の還る場所で 谷川俊太郎 俵万智 春陽堂書店

詩人と歌人によるオンライン対談をまとめたものです。

またこちらの対談を視聴することも可能なようです。

 

言葉の還る場所で 谷川俊太郎 俵万智 春陽堂書店 個人蔵

 

 

詩にはこれまでたくさんふれてきましたが、短歌はつい最近です。

本書は帯でも触れているように、言葉の達人による対談なので興味津々でした。

 

本書はさほど厚くはない本なのですが、対談の内容はとても厚みを感じます。

言葉の達人であるふたりが、言葉の探求をしているように見えて、哲学書か何かと思うほどです。反面、ことばあそびのような場面も出てきて、達人であるはずなのに、こどものように楽しんでいる場面もあります。

 

詩や歌への触れ方をはじめ、どのように感じて捉えて、といった向き合い方が対談に寄って明らかにされるとともに、そこに人間が関わっているということの事実も明らかになります。人が違えば詩も短歌も変わります。そこに流れている時間がよいものであれば、その時間を生み出した人はよい詩人であり、よい歌人であるのかもしれません。