令和5年6月の読書感想文② わたしは「セロ弾きのゴーシュ」 中村哲:著 NHK出版
既に故人になってしまったことで多くの人が知るきっかけとなりました。
本書はNHKラジオ「ラジオ深夜便」で語られた内容を収録したものです。
わたしは「セロ弾きのゴーシュ」 中村哲:著 NHK出版 個人蔵
ラジオの内容を収録したものとなっているため、中村さんの意思というか、信条を確認することが出来ます。とても残念なかたちで凶弾に倒れてしまいましたが、世界はどうしてこうも、発展という状態に釘をさそうとするのでしょうか。
中村さんの目指したことは、世間でいえば「公益」にほかなりません。
私益ではないのに、どうして狙われる結果となってしまったのか。
読みながらずっと考えています。
本書はとても学ぶべき内容が込められていて、忘れていたであろう大切な何かを思い出させてくれる力を持っています。それがすぐに仕事などで活きることはなくても、その種火が灯っているならば、その先に進んでいくであろう道は、これまでとは全く違ったものになるだろうと思っています。それくらい「はっ」とさせられる視線が、語られています。
ここで改めて、お悔やみを申し上げるとともに、この意思を忘れないことを誓います。
いま生きているこの場所で、自分なりに実践していきたいなと感じました。