日日是好日の著者による、猫本です。
なんとも展開が面白いです。
仕事がうまく進まない環境のなか、ある日訪れた神社でお願いをしたところ、その翌日に猫がやってきたという展開。何とも王道のような気がしますが、意思疎通が難しい動物相手の生活が始まることで、停滞感が漂っていた生活に刺激が加わります。日々是好日で読んだ、穏やかな文体は、この作品でも健在でありながらも、猫との生活に対する感情の起伏がじわりと伝わってきます。そのあたりはさすがといったところ。
動物の来訪(棲みつくことも含め)は、何かの啓示のような気がすることがあります。
きっと、森下さんのところに来た猫も、何かの思し召しなのだと、読後に感じました。