家人が「読みたい」ということだったので入手しました。
わかりにくいと感じることもあればすんなり共感もできる、不思議な本でした。
親切人間論 水野しず:著 講談社 個人蔵
水野さんてどんな人?となると思います。
ここに「コンセプトクリエイター、ポップ思想家。」とあります。芸術系の学問を志していたということもあり、どこかアートな(曖昧な表現になってしまいますが)匂いを持つ哲学や倫理学を携えている印象を持ちました。
本書もかなりチャレンジしていて、そうかんたんには読ませてもらえない工夫が施されています。しかしながら書かれていることは何の冗談も持ち合わせておらず、ドライのような、もしくは時代を牽引するような視線が飛んできます。もし仮に時代が大きく動くとしたら、彼女のような人が台頭するのではないかと思えるほどです。かなりこき下ろされている政治家と比べると、断然彼女を支持したくなる感じです。
この本は広義でいえば哲学書になると思います。哲学書は1度読んだってわかるわけがないものと認識しています。なので、何度か読むことをお勧めします。そうすることで、読者自身にも哲学的な思考が芽生え、これからの時代について真剣に斬りあっていくことになるかもしれませんね。