つたわりとどけ。

日常と非日常のはざまから、伝え、届けたいことを個人で探求し、実践します。このたび不定期更新に切り替えました。

令和5年繫忙期の読書感想文⑳ 土を育てる ゲイブ・ブラウン:著 服部雄一郎:訳 NHK出版

なかなか刺激的なタイトルなので、購入しました。

 

土を育てる ゲイブ・ブラウン:著 服部雄一郎:訳 NHK出版 個人蔵

 

 

土を育てる。

 

は?育てる必要があるの?

と疑問に思う人も少なくないと思います。

 

土は常に「そこにある」もので、育てるも何も・・・といった感じです。

畑においては肥料を散布すれば、あとは悪天候に見舞われなければある程度の収穫が見込めます。そのため「育てる」という概念は、おそらくないものと思っていました。

 

カーボン・ファーミングによる温暖化対策として注目を浴びているのが、環境再生型農業になります。その土台であるのが土であることから、土に対する探求をまとめた本となっています。

 

人間はどうしてもそうなのですが、目先の利益(収穫物としての作物など)にばかり目が行き、育てる環境の「奥」までなかなか目を向けない状況が続いています。

土もそうですが、森も水も必要不可欠な資源であると同時に、いつまでもあるものという幻想を抱いてしまう対象になっています。物事がうまくいかなくなったとき、原因として色んなことを考えてしまいますが、その原因がわかったときには手遅れ、もしくは莫大な時間と費用を必要とする事態に発展しているかもしれません。

 

わたしたちは常に「育てられた」ものを食べています。育てているのは主に人間ですが、その中に「自然環境」が含まれていることを忘れてはいけません。

自然環境が無ければ、人間は何も育てることはかないません。

忘れてはならないのです。